小説 田舎の蛙(1)

こんにちは、mizuです。いつもお疲れさまです。


以前にお知らせしていたことでございますが、小説を発表いたします。先にお伝えしたいことは、本作品は現時点で未完成ということです。


長編にするつもりはなく、短編にするつもりです。と申しますのは、何しろ経験が少ないので(過去に何度かチャレンジしたことはあります。)長い物語を作ろうとすると、途中でストーリーが破綻してしまうのではないかと思うためです。


では、以下にお書き申し上げます。

 

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「田舎の蛙(かえる)」


田んぼに蛙がいて、すいすいと泳いでいる。とても気持ち良さそうだ。空は晴れていて、今時分はちょうど田植えが終わった頃である。


「おーい、そこの百姓」。偉そうなお武家様が田んぼで作業している農家の旦那に声をかけた。道に迷ったのか、それとも食べ物を要求してくるのかはわからなかったが、百姓はひとまず、「へい、何ですね」と返事した。「この近くに『ジンベイ』という年寄りはおらんか」百姓の親父のことであった。百姓は正直にそれはうちの親父ということをお伝え申し上げて、家の所在地を教え、ついでにじじいは今はもう寝たきりだと言っておいた。大きな借りがあるなら健在のうちには返せそうにない。


ところで、蛙はすべて見抜いている。外見は醜くも小さな緑色なのだが、彼の魂はお天道様であり、何もかもを見通している。ついでにいい添えると、草や川の流れや砂利さえも人間のやること為すことを全てお知りになっている。このことに気付いていないのは人間くらいで、彼らは自分たちばかりがものを考えることができると信じている。蛙は、「お武家様っていうのは偉そうだよ。なんですか『百姓』とは。『お百姓』とお呼びなさいな」と思った。夜になれば人間の姿は消え、仲間たちと共に大合唱をする。そのときには蛙たちもそれぞれの日常であったことを大声で叫ぶ。とても気持ちのよいことなのだが、人間には蛙の言葉などわかるはずもなく、かえるの大合唱と呼ばれている。「百姓」「お武家様」「お殿様」「お代官様」そして「お主も、悪よのう」などと叫び合うのだ。


百姓の名はモキチという。女房はもらっており、子が6人いる。女房と子どもらを食べさせていくためには毎年米を作らなければならない。自分たちだけが収穫物を得るのならまだしも、辛いのは領主様に年貢を納める必要があるので、モキチ家の家計は厳しい。ひどい年は米を全て納めても「まだ足りない」と言われる。そういう言葉を口にするのはお武家さまで、彼らは領主様にお仕え申し上げている。領主様はいつもお屋敷におられるようで、わざわざ百姓の耕す農地を見にお出でになることは滅多にない。なので、百姓が普段もっとも恐れるのは領主様でなくお武家様だ。


「今晩、お供を連れて向かうがゆえに、馳走を用意して待っておれ」お武家様は言った。酒を飲みに来るのだ。断れない。家に帰ったらすぐに女房に言いつけて酒だけは準備しなければならない。


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今回の記事では、これまでとさせていただきます。


未熟な筆であるにもかかわらず、お付き合いくださいましてありがとうございます。


以上。mizuでした。