(12)小説 孤独なブロガー

こんにちは、mizuです。いつもお疲れさまです。


今回は前書きなしで、小説をアップロードいたします。たまのお休みでございます。


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    光に包まれながらドラゴンは、いいね、地球ってのは、キレイで、と思った。彼は雲の上を飛行しているときが好きで、人間に召喚されたときにはこの時間をなるべく長く確保したいがために、ルートを考えたり、最短距離で行かなくてすむように星と時間の交渉をする。ランディの考えていることは星たちに十分理解されており、彼の星に対する時間の要求は他のドラゴンと比べて通りやすくなっている。星たちは情深い。彼らは以前、ドラゴンであったこともあるし、人間であったこともある。兎であったこともあれば、石ころや砂粒、草、花、雨、風であったこともある。あらゆる苦しみや痛みを知っている。だから、遠く離れていてもはっきりわかるくらい眩しく、輝き続けることができる。

    いいね、地球は、住みたいくらいだよ、人間さえいなければ、とランディは思った。人間は他の生物から嫌われていることが多い。理由は単純で、この生き物は環境を破壊するからだ。木を切り倒し、森を平地にするなどという行為は、他の生物からすれば迷惑以外の何物でもない。しかしながら、よしんば好かない相手とでもうまく付き合っていかなければならない。人間にも良いところはある。彼らは種を存続させるだけでなく、文化を後世へ継承しようとする。これによって人間は他の種族から見ても非常に美しいものを作り出す。星たちは人間の作り出す芸術を見たいがために、ドラゴンなどを召喚獣として地球へ向かわせている。
    「ランディ、もうすぐ到着だよ。」星の声が聞こえる。
    「できてるも何も、ただ行って炎を吐いて、それで終わりじゃない。」ランディの代わりに別の星が返事をする。ランディは黙っている。戦闘の前はあまり喋りたくないのだ。
   星たちは構うことなくお喋りし続ける。
    「兎さんたち、今度はたくさんお餅を持ってきてくれるよ。」「また、あんた、そんなデタラメ言っちゃいけませんよ。」「いいや、デタラメじゃないよ。」「いいや、デタラメです。」「デタラメじゃない。」「じゃ嘘だったら、あんたがもらう分の餅、私にちょうだい。」「・・・・・・。」「もちろんですとも!」
    ほんとうに星っておしゃべりが大好きだよ、とランディは彼らの掛け合いを聞いて感心する。ドラゴン同士でこのような会話が成立することは滅多にない。
やがて、召喚士のいる場所が見えてくる。森の中だ。できるなら炎を使わずにすませたい場所であるが、攻撃方法は煉獄火炎のみということになっている。森の良いところは、相手を逃がしやすい点にある。相手も余程のわからずやか自殺志願者でないかぎり、ドラゴンが目の前に現れたら、これはまずいことになったと考える。
ドラゴンの方では、呼ばれたからには形式的にでも相手に対して炎を吐かなけれならならない。ここまではプログラムによって設定されているのだ。ただし、火力は調整してよいことになっている。また、あまりにも弱い相手や既に深手を負っている相手に対して攻撃しなければいけないときには、風の精霊が気を利かせて瞬間的な強風をドラゴン方向に起こしてくれることもある。


(続きます)

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以上。mizuでした。

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