(19)小説 孤独なブロガー

こんにちは、mizuです。いつもお疲れさまです。
今回は本文が長いので、前書きはお休みいたします。
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「今月のPV、6032、目標達成しました。」
それはよかったですね、そうして、そのうちに目標が100万PVとかになるのでしょうね、と男は思った。嫉妬してしまうが、面白くて、つい読んでしまう。つまらないと感じるものは、内容に対して感想を抱くまでもなく読み飛ばすのが普通である。キーボードのスペースキーを連打すれば、自分が興味を持つ部分だけを拾い読みできる。
ブログを始めてから今まで他のブロガーの記事を熱心に読み続けているけれども、記事を作ることによって生活を成り立たせることがとても困難なことのように思えてしまう。小説を書こうとするほどの空想家なのに、ネットの世界で大活躍する自分を想像できないのだ。もしかすると、いわゆるアフィリエイターとか本業のブロガーと呼ばれる人たちはネットの世界で稼ぐことができない人たちよりも脳が現実的なのかもしれない。
男は別の記事を読むことにする。カーソルを動かし、次々と画面を切り替え、面白そうな記事を探す。
マクドナルドのデリバリー、クーポンが使えない」
マクドナルドのハンバーガーが食べたいよ、と思いながら男はそのタイトルをクリックする。もう、てりやきマックバーガーダブルチーズバーガーみたいなビックマックバーガーでないバーガーでもよいから、とにかくいただきたいのだ。特別にマクドナルドを好いているわけではないし、この企業の株式を保有しているわけでもない。外で食事する習慣は今までにわずかの期間しかなかった。この間にもマクドナルドの常連であったことはない。たまにいただきたくなるのが、マクドナルドのハンバーガーなのだった。半年か年に1度くらいのペースでしか行かないものだから、行く毎に「また改装したのかな」と思ってしまう。また同時に、「またマクドナルドはオーナーに新しくローンを組ませたのかな」と思ってしまうこともある。事情に精通しているわけではないので勝手に想像しているだけなのだが、単に食欲を満たしてくれるだけでなく、様々なことについて思いを巡らせながら食事を愉しむことができるがゆえに、また行きたくなるのだ。
なるほど、マクドナルドはデリバリーサービスを始めたのか、と男は思った。記事を読むと配達料金はアルバイト従業員が時間給の半値ほどと書かれてある。そして、タイトルに表示されてあるとおり、クーポンが使えないことについて書かれてある。最後には、割高になった分も送料に含まれると考えればよいと結論づけられている。
ふわっとしたパンに、シャキっとしたレタス、ジューシーな肉、スパイシーなソース、マヨネーズ、白胡麻の風味。男はマクドナルドのハンバーガーを想像してしまう。近頃は、白飯やかつお節、味噌汁、パスタくらいしか食べていない。少しくらいは生臭物をいただきたいのである。
これから小説を書き続けて、もしも本が出版されることになったら、東京へ行った帰りにでも食べに寄ろう。
今の彼にとっては、マクドナルドよりも夢の方が大事なのだった。