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ブログの使用方法が変化するにつれて、当ブログの表示や文章の書き方も変わります。他の方がご覧になって見やすいかを第1に考えず、自分が使用していてストレスを感じない方法を採用しております。たとえば、タイトルがクリックされた時に書かれてある内容が、一見するだけで把握できるよう、なるべく空行を使用しないことにしております。また、まえがきを書くとき、改行することを控えております。ご覧になる方にとっては非常に読みづらいかもしれません。もともとブログというのは他の方の日記をこっそり覗き見る感覚が面白くて流行しているのではないかと考えてしまうのです。かるがゆえに、まずは自分の考えを表現しやすいように形式を整えることが大事だと思うに至り、他の方からして読みやすいかどうかについては殆ど考えず記事を作成しております。
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古い家屋の中で1人のサンタクロースが、子供の寝ている傍に立っている。名前はランドという。外回りの役に遣わっれるようになってから長い年月が経っている。自慢の髭は白色で、体格は大きい。けれども、右腕の二の腕より先がない。若い時分に随分やんちゃをしたため、離れてしまったのだ。今ではすっかり大人しくなって、腕っぷしに頼って相手を黙らせることはしなくなった。勤務外の空いた時間に他のサンタクロースと交流することはほとんどなく、家でひとり静かに本を読んだり書き物をしたりする。以前は右利きで執筆するためには右手を使っていたけれど、今では左手を使っている。はじめのころは文字を一字書くことすら苦しかった。時が流れ、手が筆を持つことに慣れると、ストレスを感じることなく長文を書くことができるようになった。文字は年月を重ねるにつれ綺麗になっていく。そうして、本や筆記用具と親しくなるにつれ、世間が明るくなり、トラブルに巻き込まれることは少なくなっていった。
ランドは目の前で眠る男の子の夢を窺う。この子の名前はボブというらしい。
お父さんとお母さんが毎日ケンカしなくなりますように、サンタクロースさん、お願いします。
いいや、それは無理だね、とランドは思った。
家自体はボロいが、家具類は新品が多く、生活に必要なものは揃っている。けれど、よく見ると要らない物がいたるところにあり、家の中はどこもかしこも何となく安っぽい。両親共に仕事が休みの日は家を留守にし、ボブ君を連れて外出するのが普通である。書棚にある本は教養を身につけるためには適していないものばかりで、入手したばかりの品物以外は読まれていない。
いくらサンタクロースが瞬間移動できるからといって、人間同士の間にある関係を操作することはできない。できることは物を与えることくらいである。予め準備しておいたものを当日の夜、子供らの枕元に置くくらいしかできないのだ。また、プレゼントがあったことを保護者に悟られては大変なので、与える物は食品がほとんどで、目を覚ました時には跡形もなく胃袋に収まっている状態にするため、夢を変更し、寝ぼけているうちに食べ終えてもらう。食べ物以外では、大人に見つかっても気に止められないような品物が選ばれる。鉛筆や消しゴム、ノートなど。数学好きの子には問題集が与えられる。ボブ君は既に筆記用具を持っている。特に数学を好いているわけではない。学校での成績は平均より上である。友達はたくさんいるし、誰からもいじめられているわけではない。悩み事といえば、毎晩のように繰り返される両親の夫婦喧嘩くらいだ。自分がどれだけ考え込んだところで事態が改善されることはなさそうで、とにかく我慢している。毎日、ただ祈っている。
残念だがね、君のお父さんとお母さんは離婚するよ。親父はよく働くけど酒飲みで、母親は見栄っ張りで浪費家だ。ボブ君はせめて、親御さんらを反面教師にして、しっかりした大人になるんだよ。
ランドは深く考えるまでもなく、ボブ君の意識に語りかけた。贈り物については、物に困っているふうではなさそうなので、食品になりそうだ。たぶん、ハンバーガーか何かになりそうである。サンドイッチでもよいだろう。ベッドのシーツを汚さないものであれば何でもよい。