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文化という言葉がございまして、文章につきまして、初めは漢字のみだったのが、後から仮名文字が追加され、カタカナが追加され、といった具合に意志の伝達方法が少しずつ変化してまいりました。更には、句読点や「」が使用されるようになり、英語が日本語の文章に挿入されるようにもなりました。書く側にとってはいろいろなツールが既に出来上がっておりまして、同じことを述べるにしても、どう表現しようか迷ってしまうこともあるはずです。こうして表現方法が様々になったがゆえに、同じようなことを書いても、読む側に、書き手の性質がなんとなく伝わるようになりました。きっと絵や写真その他のことにつきましても同様なのでしょう。と申しまして、小性、今になって絵を描くことや写真を撮ることについて深く学びたいという気持ちにはなれません。私はこれからも文章ばかりを学んでいくつもりでございます。
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部屋を見渡すと、壁にポスターが貼り付けられてある。肉付きの良い金髪の男が上半身を裸にした状態で写っている。マイクを握っている。オジー・オズボーンだ。よく見ると、余白の部分にマジックで「タロー・オズボーン」と書かれてある。
そうか、太郎君は、タロー・オズボーンになりたいのか。シャロン・オズボーン(オジーの妻)みたいだね。面白い冗談だよ。けれど、オジーは気違いだからやめておいたほうがいいよ。
いいえ、サンタクロースさん、お願いします。僕をオジーにしてください。
ランドは驚いてしまう。生意気にも再度お願いしてくるのだった。断る理由がないので、太郎君へのプレゼントはオジーになる夢ということにする。
気になるので尋ねてみる。
太郎君はどうしてオジーが好きなの?
かっこいいから。
好きなギターリストは誰なの?
オジー・オズボーン
1番好きな曲は?
リザード
ランドは太郎ほどオジーを好いているわけではなく、オジー・オズボーンについて知っていることといえば、金髪のロックミュージシャンということくらいだ。なので太郎くんの言葉を受けて、オジーはギターリストでもあるのか、と思った。けれど、これは誤りで、オジーはギターリストとして活躍しているわけではなく、ステージに立ったときギターを彈くのは他の人である。また、ブリザードという曲は存在しない。アルバムのタイトルに使用されている単語を曲名と間違えている。眠っている間に交わされる質疑応答では起きている時ならあり得ないような言葉が当人の脳から発せられる。そして寝呆けたことばかり言う者もあれば、普段と変わらない意見を主張する者もある。ランドは、太郎君があまりにもはっきりと「オジーになりたい」と要求してきたものだから、てっきり正気なタイプかと早合点してしまったのだ。こうした間違いはよく起こる。