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小説の前に文章を挿入したしますのは、小説のみでブログを更新することに寂しさを感じるからでございます。もっと巧みに作文できるなら、私が只今お書き申し上げているような文章は不要となるでしょう。物語の中に全てを注ぎ込みます。また、練習をも兼ねております。接続詞や句読点の扱い方がいまいちよくわからないことがありまして、前書き中にていろいろと試みております。ところで、本を手に取って開いたときに、文字がぎっしりと詰まっている物を見かけますと、読むのに躊躇してしまいます。私が目指しますのは、一見したところ読みにくそうだけれども、手に取って読むと単純な作りになっているのが分かるような文章です。

ランドは自宅へ戻り、着替え、パソコンの前に座る。会社のシステムにログインし、本日成した仕事を見る。ボブ君、太郎君、奈々ちゃんとの間であったことは、まだ事務所のサンタクロースに確認されていない。先日に回ったところについても処理されていないものが目立つ。間に合っていないのだ。画面を切り替え、3人の願いがクリスマスに叶えられる可能性を調べてみる。「ボブ君、高い。太郎君、低い。奈々ちゃん、なし。」ということになっている。
ボブくんの、ハンバーガーについてはマクドナルドと業務提携していて、発注から納品までの仕組みが洗練されている。ゆえに、事務所の者に見られさえすれば、あとは当日の人手次第だ。
太郎君の、夢を操作することは誰にでも許されることではなく、ちびっ子たちが夢を見ている最中に暴走しないよう、監督者が付くことになっている。有資格者の数は夢を見たいと願う子どもの人数より少ないため、抽選が行われる。当選した者は、希望通りの夢を見ることができる。
奈々ちゃんの、無理な要求は、担当した外回りのサンタクロースによって、そもそも願い事すらなかったふうにされてしまう。さらに、来年からは訪問しなくてよろしいということになる。
ランドは小説の続きを書くことにする。書き終えた原稿は、機械に通すと自動で文字が認識され、記憶装置に保存されるようになっている。片腕しか使えなくても不自由なく執筆できる環境にしてある。片手だけでもキーボード入力できるけれども、鉛筆を使って草稿を作成する自分にとっては二度手間となるので、物語を進めている最中はあまりその入力装置を使わない。修正するときには大いに利用する。
ノートを開き、鉛筆を持つ。以前に書いた文章を眺め、最後の文に注目し、書き始める。

ドラゴンは巣に戻っている。地面の上に腰を下ろし、羽を休めている。
「やあ、ランディ、お疲れさま。いい仕事だったよ、煉獄火炎」星が話しかけてくる。
ランディは、うん、と頷く。
「サンタクロースの方も中々だったよ。けれど、女の子には厳しかったね。次はどうするの?」
これからのことについて考える。星からの指示であれば、呼ばれたなら行くし、サンタクロースに変身したなら成り行きで仕事する。ただ、奈々ちゃんについては、どうしようか迷っていて、自慢の白髭と引換えに高級時計をプレゼントしようかとも考えている。
「女の子にキツく当たり過ぎた」ランディは答えた。
「生意気な小娘だったんだよ」
「あんなものは碌な大人にならないよ」「じゃあ、あなたが買ってあげるっていうの?」「どうして私が」「だって、あなた、髭生やしてないからプレゼントしたって平気でしょう」「だからといって、相手は小学生だよ」「女の子よ」
星たちはお喋りし続ける。ランディは聴き流す。頭の中は先程あったことで一杯である。両親の夫婦仲に悩む少年、太郎・オズボーンの事は置いておくとして、物質に不自由していないけれど困っている少女。自分が気にせずにいても彼らは成長し、やがて大人になる。頑張って生きて、土に還る。では、どうして彼らは幼い頃から悩んでばかりいるのだろうか。
「ランディは考え事をしてるのよ」「放っておいたほうがいいのかな」「話しかけるにしても、言葉を選んでね」「たとえば、元気出せよ、とか?」「いいえ、それは無神経です、ランディは元気なのですから」「じゃあ、何考えてるの? とか」「まさか、あなたは自分が二枚目だと思っているの?」「主役じゃないけど、スターだよ」「温かく見守るのがスターの役割よ」